気付いたら、目から涙が溢れていた。
｢ごめん……責めるつもりはなかったんだ。でも、奈央ちゃんの気持ちが確かめたくて、ここに来た｣
あたしの気持ち……？
｢本当は日向のマネージャーの中津さんが来る予定だったんだけど……日向に頼まれたんだ。"中津が行くと、絶対キツいこと言うと思うから"って｣
確かに……今ここにいるのが、南さんじゃなくて中津さんだったとしたら。
あたしはきっと、説教でもされたんじゃないかな。
｢泣かないでよ｣
南さんは、着ていたTシャツの袖であたしの涙を拭った。
｢………っ……｣
｢奈央ちゃんは……日向のこと、信じてやれる？｣
あたしの顔を覗き込んだ南さんは。
『日向を信じてほしい』
そんな真っ直ぐな目をしていた。
｢あたしは………あの写真が本当だったとしても、日向をずっと信じる｣
｢奈央ちゃん………｣
だから、教えてよ………。
｢南さん、知ってるんですよね………？｣
｢……………｣
｢日向になにがあったか……｣
｢……………｣
｢あたし……覚悟はできてます｣
例え、なにがあったとしても日向を信じてるから、だから。
｢……日向になにがあったか、教えてください………｣
あたしは涙を拭いて、南さんを強く見つめ返した。
