『栞ちゃん……?寝てるの?』


そう言いながらカーテンを開けて、ベッドの横にある椅子に座った。



『ねぇ…どうして俺とは話してくれないの…?俺の事…キライ…?』




―――…わからない。




こんな時、どうしたら良いんだろう……。

アタシは今寝たフリをしているわけだし、それにそれ以上に優くんと話す事自体が恥ずかしい…



でも照れてる場合じゃない。
誤らなきゃ!話さなきゃ……!


「優く…『嫌な思いさせちゃってごめん…っ…』


彼は私の言葉を遮ってそう謝った。



……違う。
違うんだよ優くん…

アタシはただ恥ずかしかっただけなんだよ…

本当は…嬉しかったんだよ……??


そう伝えたいのに声が出ない。身体が言う事を聞いてくれない。

まるで自分が自分じゃないみたい………



『…バイバイ』



彼はそう言い残して逃げるように保健室を後にした。


「……っ…まって…!…優くん…まってよぅ…」