どれだけ進んでも
どこにも辿り着けない。
人もいない。
光もない。
なにもない真っ白な部屋に
1人でぽつんと歩いてるだけ
自分でどこに行きたい
のかも分からない。
でもここから出たい。
家族や友達の
温かい温もりが欲しい。
__「………ぉぃ」
遠くから声がする。
低い男の人の声
まったく聞き覚えがない。
まぁ、記憶ないし。
♀「……誰ですか?」
1人でぽつんと呟いた。
この声は部屋に響くだけ。
孤独感がさらに増した。
本当に1人なんだ、って…
さっきの人が誰かも
分からない。
多分、知らない人。
でも、今あたしが頼りに
出来るのはその人だけ。
__「……大丈夫か…?」
また聞こえた。
誰か分からないけど
すごく温かい声。