リ「へぇ…、そうなんですか」

リョウタくんは疑いながらも納得した。
正直、自分が何歳かも分からないから
なんともいえない。

でもリョウタくんがあたしに確認した
ってことはあたしは学生ってことだよね

♀「……お母さん」

その人がお母さんかは分からないけど
そんな気がしたから呼んでみた。

母?「どうしたの?」

あたしは聞いてみた。
不安で不安でたまらなかったけれど
事実を話さないといけないと思った。

♀「……あたし…」

言おうと思った。
でも声が出ない。
声の代わりに涙が出た。

母?「ユリカ…もしかしてあんた記憶ない
んじゃないの?」

あたしはビックリして顔をあげた。

♀「……なんで?
なんでそう思うの?」

あたしはどうしてバレたのかがすごく
気になった。
別に隠しているつもりでも無かったが
あたしなりに努力したつもりだった。

母?「…あんたが…私のことをお母さん
って呼ぶから」

あたしは一瞬耳を疑った。
あたしがお母さんと呼んだから?
じゃあ、前のあたしはなんて呼んでたの?

♀「…じゃあ、前のあたしはなんて?」

お母さんらしき人物は言いにくそうに
ボソッと呟いた。

母?「…ヨウコさん」

ヨウコさん…?
なんでそんなによそよそしい呼び方なの?
あたしとこの人の関係は何?
親子?
親戚?
赤の他人?

なにもかも分からない。
さっきのリョウタくんも分からないし
ユウタ先生もよく分からない。