『はい、鈴木さん答えて』

「わっかりませーん」

『じゃあ、谷口さん分かりますか?』

『はい、√3です』

『正解』

きーんこーんかーんこーん…

授業の終わりのチャイムが鳴る。

それと同時に心友の咲が来る。

『はるちんまた当てられてたね!』

「もうほんっと最悪!」

『数学と何か縁あるんじゃない?』

咲がにやけながらあたしに尋ねる。

「ないない!帰ろー」

『はいはい!』

あたしの名前は鈴木陽菜-スズキハルナ-

現在中3の夏。といっても夏休み終わったのだ。

夏休みは、メイクしたり髪染めたりでやりたい放題。

勉強なんてもってのほか。