「だめ。」


突然熱い手が私の腕を掴んだ。

振り向くと、犬みたいにしょぼーんとしている聖がベッドに座りながら私の顔を覗き込んできた。


「聖、こんな熱あるんだから、今だけでも寝てないと。」


「……でも、折角しぃと遊園地に来たのに。もっとしぃと話したい。」


「話なら今でも出来るから、ね、とにかく寝て?」


渋々ベッドに転がる聖。


手を握ってて、と有無を言わさず私の手をしっかり握っていた。


「しぃ、今日は来てくれてありがとう。」


「うん。」