「もう~、美菜もったいないじゃん~」


「でもさ~、あの人沈黙長すぎ!ちょっとイラッとした。」



そのせいで昼休み、半分もつぶれたし。



「あの子、長瀬くんって言うんだよ。」


「ふ~ん。」


「女子の間で密かに人気なんだよ、最近。」


「ふ~ん。」


「背高いし、顔もいいし、成績良くて、運動もできて...って美菜、聞いてるの?」


「それはそれでいいけれど...まず、お弁当食べさせてよ。」



あと15分で授業が始まる。


それまでにお弁当を食べなきゃ、おなかがすいちゃう。



「美菜ってさ、こういう話、興味ないの?」


「正直、今はどうでもいいかも。」



それから私は、優の話をほとんど聞かずに、お弁当に集中していた。