私は頭をふってその考えを振り払おうとした。






「…ん?」






前方にボーっとしてる男の人発見。





考え事してるみたいな…







その人は前を見ていないのか、道路の方に歩いて行った。







――――ちょちょちょ!!車来てるって!!!





私は走ってその男の人の腕を取った。







男の人はハッとした顔で、




目の前を車が通り過ぎるのを見た。






「…どうも」





ぶっきらぼうにお礼を言いながら、その人は私を見た。








カッコい…







年は同じくらい。




っていうか制服がいっしょだから、同じ高校だと思う。







アイドル並ってわけじゃないけど、




クラスに2.3人くらいいる程度のイケメン。








ちょっと立っている茶色がかった黒髪。




切れ長の瞳、整った唇、鼻。







「「…」」






何?この沈黙。





私は無理に言葉を絞り出した。





「あ、き…気を付けて下さいね」








男の人は軽く頷いて去って行った。








…何か変な人…