「どうしたん?」


その人は優しく声をかけてくれた。


「なんでもないです…大丈夫です。」


「なにが大丈夫なん?大丈夫とちゃうやん」


「ほんと大丈夫なんで…」


「強がんなや、大丈夫じゃないときくらい


素直になれや」


そのとき私の中の何かが音を立てて切れた。


だって、こんなセリフを言われたのは


あの日以来だったから。


その瞬間私は声を出して泣いた。


「大丈夫か??」


「うん…ありがとうね。


せっかくのクリスマスごめんね…」


「全然大丈夫やで!!」


「てか名前…教えて?」


「あ-名前な!!大倉智哉やで」


智哉くんはにっこり笑いながら教えてくれた。


そして愛が泣き止むまで傍に居てくれた。