初めての電車通学の日。


多香子が一緒だからなんとか乗れたけど、先輩たちが恐くてとてもじゃないけど一人じゃ乗れなかった。


電車には隼人も乗っていた。


「あの子、クラスも部活も一緒なんだよ!!」


「へぇ。っか西中の子だよね？うぇ。」

多香子があまりにも面白い顔をしながら言うので、おもわず笑ってしまった。


駅に着き、私たちはいろんな話をしながら学校へ向かった。

その前を隼人が歩いていた。まだ一言も話したことがなかった。


放課後。


待ちに待った部活の時間になった。


「茜ちゃん。部活行こっ!!」


ななめ前の席の茜ちゃんを誘った。


「うん。あと、茜ちゃんじゃなくて茜でいいよ。」


「わかった。私のことも紗奈でいいからね。」


二人は笑顔で部活へむかった。


練習は、短距離と長距離の２ブロックに分かれて行われた。

新入生の短距離は私と茜と隼人と悠介だけだった。


陸上の練習は想像以上につらかった。


おまけに、名前を覚えるのが苦手な私にとって部員全員を覚えるのは一苦労だった。