莉乃side

もーっ。

りぃクンは、何であんなに意地悪なのかなぁ・・・。

って思ってると、「琴味さん」と、クラスの女の子に声をかけられた。

「は・・・はい」

「篠等木想雫先輩が、呼んでるよ?」

「は・・・はい」

しっかりしないと・・・私。

今のクラスの女の子は、昔のクラスの子達とは、違うんだから。

とは言っても、やっぱり昔にイジメられた記憶は、どうにもならない。

っていうか、篠等木先輩・・・知らないな・・・。

また、告白かなぁ?

教室を出ると、篠等木先輩と思われる男の人がいた。

名札に、”2年”と書かれていた。

「琴味さん。あのさ」

・・・断らなきゃ。

「ごめんなさい

「・・・?は?」

「お付き合いは、出来ません。ごめんなさい」

出来るだけ、篠等木先輩を見ないようにして、言った。

「何言ってんの?」

もーっ。

しつこいな・・・。

断ってるのに・・・。

「失礼します」

教室に戻ろうとして、足を浮かせた。

でも、「俺の話を聞けよ。・・・ちょっと来い」と言った篠等木先輩に腕をつかまれて、

ズルズルと、引っ張って行かれた。

って、冷静に考えてる場合じゃない。

私の腕をつかんでいる篠等木先輩の手の力が強すぎて、痛い。

「は・・・はなしてください」

「黙れ」

「離して下さいっ」

「俺の流暢な日本語が、聞き取れないのか?黙れ」

「・・・」

聞こえないのかと言われれば、聞こえる。

黙るしかない・・・よね。

私はそのまま、少人数教室という名の物置部屋に、連れて行かれた。