海里side

くっそー。

莉乃、可愛すぎだろ。

反則だろ。

俺、園枝海里は、昔から莉乃のことが好きだ。

ここでは、女同士の友情の意味ではなくて、恋愛での意味だ。

「りぃクンの馬ぁ鹿」

ほら。

可愛すぎだろ?

勝てないって分かったら、次は幼稚な悪口。

「馬鹿は莉乃だ。なんたって、莉乃は1教科も、俺に勝ったことがない」

「事実だと、否定できないじゃぁんっ」

あー、駄目。

半泣きとか、反則。

「でも、女はちょっと馬鹿のが、いいんじゃねーの?」

一応、フォローに入った。

「そうかな?」

「賢すぎるのも、堅苦しくて、俺は苦手」

「本当っ!?」

「うん」

「やった」

パアッと笑顔になった莉乃。

ヤベー。

マジで鼻血でそー・・・。

「あー。俺トイレ行ってくる」

「私、付いてこぉか?」

「いや、連れションは勘弁」

「えー」

莉乃に手を振って行ってくるって言ったけど、拗ねた莉乃からは、返事がなかった。