莉乃side

教室に帰ると、りぃクンが「さっきの告白は?」って聞いてきた。

さっき、あんなに冷たく私のことを見放したクセに、そんなこと聞いてくんなっ。

ふーんだ。

10分間口きいてやんないって、決めたもんね。

「ふーん。俺のこと、無視するんだ。だったら、もう俺も莉乃と口きいてやんない」

りぃクンの攻撃。

私は、大ダメージを受けた。

・・・それは、困る。

友達なんて、りぃクンくらいしかいないのに。

「ごめんなさい」

簡単に謝ってしまった・・・。

りぃクンに口喧嘩で勝てる訳もなく・・・。

「うん。許す」

りぃクンは、ニッコリと微笑んだ。

「あ、それとね、りぃクン。ちゃんと断ったよ。さっきの告白」

「うん。ってか、俺はりぃクンじゃない。海里だ。りぃクンだと、可愛すぎてキマらねー」

「いいじゃん。可愛くて。りぃクンだって、一応女の子でしょ?」

「戸籍上な」

そう、りぃクンは女の子。

喋り方とか性格からだと、男の子同然。

でも、少し小柄で綺麗な顔をしているから、見た目からだと、完璧な女の子。

「っていうか、りぃクン。少しは助けてよぉ」

毎日告白を受ける身にも、なってほしい。

面倒ったら、ありゃしない。

「莉乃が可愛すぎるのが、悪ぃ」

「悪くないっ。それに、顔はりぃクンのほうが、絶対可愛いからっ」

「いやいや。俺は全然」

「ぶーっ。スネてやる」

「おー。勝手にスネとけ。豚サンよ」

「豚じゃないぃっ」

「ぶーって鳴くのは、豚だろ?」

「・・・」

完敗・・・。

やっぱり私は、りぃクンに勝てない。