莉乃side

「今日も、張り切ってフッといで」

「無理だよ~」

「行け」

「りぃクン、ヘルプ」

お願いポーズまでとったのに、りぃクンは「ファイト」って送り出す。

ふーんだ。

りぃクンとは、10分間口きいてやんないもんね・・・。


はぁ・・・。

いつ終わるんだろ・・・こんな日常。

私は何故か、毎日のように男の子から告白される。

しかも、必ず教室の前で。

恥ずかしいよ・・・。

その度にりぃクンは『ファイト』って送り出す。

こんな事頑張ったって、何にも良いことないよ・・・。


でも、今は不貞腐れてる場合じゃない。

敵は前方にあり・・・だよね。

「あの・・・琴味莉乃さん。俺、隣の3組の山総っていいます。
 その・・・俺と・・・」

大丈夫。

いつもみたいに、断るだけ・・・。

「ごめんなさい」

「は?俺まだ何も言ってな・・・」

「ごめんなさい。お付き合いは、できません」

それだけ言うと、私はそそくさと教室に戻った。