1年ぶりの丘はちっとも変わってなかった。
たくさんの家々はおもちゃみたいに小さくて、
大きな桜の木があって。
花が散ってしまった桜はちょっと寂しそうだった。
その姿を見るなり、僕の中のコップから
水が溢れ出る感じがした。
そして僕は叫んだ。
ママなんか大っきらい!!
本当は大好きだったのに!
病気でも僕は悲しくなんかなかったのに!
余命わずかだと言ってくれれば・・・
僕はまだ、ママに話したいこともたくさんあるし、
行きたいところもたくさんある。
たくさんたくさん思い出作りたかったのに!!
なんで?
それから僕は泣いてた。
「和也くん・・・?」
―――――誰?