病院で横たわる女性を前に、
まだ僕は訳がわからなかった。

わかるのは、この女性は僕のママだってこと。




和也、ずっと黙っていてごめんね?

隣に座るおばあちゃんが話し始めた。




その後聞いたのは、

ママは僕のこと嫌いじゃなかったってこと。

ママは病気で余命わずかだと宣告されてたこと。

自分の情けない姿を見せたくなくて、
自分が死んだら僕は1人になってしまうから、

僕をおばあちゃんに預けたこと。






まだ何か言いたそうだったおばあちゃんを置いて、僕は家に走った。

荷物をまとめて、あの丘へと走った。