あっ前に唯いるしっ
ぬかしてやろー

タタッ

ちょっと早くスピードを上げた。

十字路のところをみんなは左へ曲がっていった。
自分も曲がろうと向きを変えようとしたとき

ガッ
腕を思いっきり掴まれた。
「っ・・・・!?」

誰・・・!?

一人だけ右に思いっきり倒れた。
後ろで誰かがクッションになっていた。

「だっ大丈夫ですか!!??」

振り返り手を伸ばそうと顔を見たときは本当に何をやってるんだと驚いた。

「尾川っ!?」

「ぁ・・・?尾川?」

ぇ・・・?
なんか不機嫌?

「尾川じゃねぇだろ?」

「あっ・・・んっんふぅ・・・・」

ピチャピチャと音をたてながら尾川は私の唇に吸い付いた。

「んなっ・・なにすっ・・・・」

尾川を無理やり引っ剥がした。

「っは、いいだろ?別に減るもんでもねーしよ」

「なに?その口調・・・意味わかんない意味わかんないよ」

私はスクッとその場で思いっきり立って、尾川にビンタを食らわせた。

「んなっ!?なにすんだよ!テメー」

私は何も言う事が出来なかった。
ただ、顔を見せる事が出来なくて・・・
姿を見失った唯を探して猛ダッシュで左へ曲がった。