私は壁にもたれかかって、窓とは逆の方向を向いた。



「時間・・・時間。」

ふと、このままここでじっとしていてはイケナイという気持ちが働いた。

「え・・・!?」

ちっ・・・遅刻!!

時間ないよぉ・・・


「濱田ーーーーーーっ!!」

ハッキリと昨日の放課後に2人だけの時を過ごした人物の声が聞こえた。



「尾川・・・、やめて・・・・」

私は小さく呟いた。


大好き・・・尾川が、とっても好き・・・私は・・そんな気持ちを自分で理解するのが恐かった。


尾川は私が出てくるまで家の前を離れないのは分かりきったことだった。



でも今は、尾川となんか話したら尾川のことを・・・・

尾川のことが・・・・





「好きなんかじゃないんだから・・・・」
私はまた、小さく呟いた。