その目の恨めしさに俺は、首を傾ける。


『………なぁ、その額、どうした、っ』


ギロリと殺気の込められた目で睨まれ、俺は、息を呑む。


『アハハッお前が、やったんだぞ?』

『―――――は?』


んなまさか…………と女をもう一度見た後、男に目を戻す。


『………まぢ?』


聞こえているとは分かっていても、小声になってしまう。


『まぢまぢ。お前あの後意識飛んで、見事桜姫に体重全部かけてくれちゃったわけ』


んで、支えきれなかった桜姫はそのまんま地面とごっつん。


この状況を楽しみながら、小声で話す男に俺は、冷や汗をかく。


(………馬鹿野郎)


何故女の方に倒れる?アホか俺は。


チラッと恐る恐る女を見上げ、俺は深々と頭を下げた。