本当に、あたし、どうしちゃったんだろう?


ドキドキする胸をきゅっと掴んで、そのままいぢわる王子を見つめていると――…


「あー、わかった」


いぢわる王子は、ニヤッと笑い、目をわざと半開きにした。


「紗衣。
オレにみとれてただろ?」


手に持っていた参考書を、積んである本の上に置き、あたしのおでこを指ではじく。


でも、その後は――…