そんなあたしに――…


「バ―カ!
あだ名じゃねぇ!!
名前だ!
な・ま・え!!!」


いぢわる王子はあたしの前に屈んで、ぺシっと軽くあたしの額を叩く。



その衝撃に…



忘れたくて
忘れられなくて


でも
忘れていた


目の前の、とびきりカッコいい男の子の名前を思い出した。


「…芹沢…玲音…」