…え?


なんで?


なんで、いぢわる王子がここにいるの?


もう、帰ったんじゃないの?


どうしてこんなところに…


どうしてこんなところにいるの?


状況が理解できなくて、目を見開いたまま固まるあたしの前、


「あのさ。
人の“彼女”
勝手に口説くの、やめてくれる?」


いぢわる王子は、廊下に転がったままの山本くんの肩をトンっと押した。