ばびゅん!


そんな表現がふさわしいほど急いで走ったつもりなのに、図書室を出たところで――…


「鬼ごっこもたまにはいいですね。
捕まえる楽しみがある」


そんな鳥肌もんのセリフがすぐ後ろから聞こえてきた。


「緑川さんは、僕の楽しませ方をよくわかっていますね。
では、ご褒美に“紗衣”と呼んであげましょう。
僕の彼女決定です」


はぁ!?
…ってか、肩をつかまれた!?