「バーカ。
トイレを我慢してたなら、もっと早く言え。
あんなに赤い顔してたら、心配するだろ」


トイレのそばの壁に寄りかかるいぢわる王子を見たら、すべて無駄。


「//////」


体も顔も、またもや“カッカッ”と、ほてってしまう。


「ほら。
紗衣の参考書。
買っといてやったから」


いぢわる王子は、壁から身を起こしながら、本屋さんのブックカバーのついた本をあたしにさしだした。