「おまえさ、いい度胸じゃん。
オレのこと、無視するわけ?」



今日から入居する学生寮の入り口。


腕を組んで立つ男の子の脇を通り抜けようとした時。


ドン!!


男の子は片足を壁につき、あたしの行く手を阻んだ。




「へ?」


…何?

…何が起こったの?


あたしは通せんぼされた形の足をたどり、はるか上空の顔を眺めた。