「まさか一生このまま背負った方がいいとか思ってる?」
美嘉は俺の考えている事をピタリと当てた。
俺が苦笑いしながら沈黙を保っていると美嘉は そうなのね?と俺に確認を取る。
何で、分かるんだろうな・・・・。
「俺はさ愛していた一人の恋人を殺したんだよ。 彩は俺の事信じてさ アイツに従って俺に会いにきてくれたのにさ。 俺はそれを否定したんだ。 自分から望んどいて・・・最低だ。」
俺は俺を呪った。
どうして どうして
俺はあの時。
彩を信じてやれなかったんだろう?
俺の目から大粒の涙が零れる。
「亜希・・・。だから、お前のせいじゃ-・・・・」
「いや!俺だ!俺が・・・踏みにじった・・・俺が・・・・。」
泣き事を美嘉に言っているのが情けないが 今は涙を抑える事が出来なかった。
ごめんな。
俺、最低だよ。
彩、愛してるんだ-・・・・。

パンッ!!

渇いた音が突然響く。
自分の頬が痛いので多分 叩かれた。
「・・・痛い。」
不思議と涙は止まった。
「当たり前だ。痛くしたからな。お前はバカだ。彩はそんな事望んでない。」
美嘉は俺の少し上を見て 切なそうな顔をした。
「・・・好きだって。」
「!」
また涙が溢れる。
こんな酷い事をした俺を好き・・・?
しかし ならば何故俺から離れない?
様々な疑問と抱えきれない思い。
朝 学校に着てから色々な事が ごちゃごちゃに混ざって・・・
訳が分からなくなった。
「ど・・して?」
どうして 彩は-・・・・・・
俺の意識が遠のいてゆく。
「亜希!!」
最後に見たのは心配そうな・・・
美嘉・・・・じゃない。
彩の顔だった。
「亜希!亜希!!!」
凄く呼ばれてる。
でも 今は疲れた。
寝かせてくれ-・・・・・・。