でも それは断ったはずじゃ・・・


「それ・・・断ったんじゃ」


「未憂が落ち着いたら


引っ越すって・・・」


まさか・・・あいつ


俺は 玄関に逆戻りして


靴に履き直し 学校を飛び出した


くそ・・・今からじゃ


電車に乗っても間に合わない


走って行くか


学校から未憂の家までは


結構距離がある


俺は 必死に走った


しばらくすると 見覚えのある


風景が見えた


今朝・・・いや何度も


来た事がある


未憂の家の近くだ


息を整えて 未憂の家に向かった


ピンポーン


インターホンを鳴らす


誰も・・・出ない?


「湊?」


声のする方を見ると


コンビニの袋を持った未憂が


立っていた


「・・・どうしたの? 学校は?」


「お前・・・引っ越すって本当なのか?」