でも 未憂はまだ苦しんでいるんだよな?


俺に出来る事・・・


少しでも 未憂の力になりたい


でも・・・何が出来るんだろう?


「くそ・・・」


そんな事を考えていると


学校に着いた


数人の生徒が 校門を通っている


俺も校門を通り 


学校の中に入った


なんか・・・光里に悪い事しちゃったな


上履きに履き替えて


廊下を歩く


「及川君・・・」


声をかけられて 振り返ると


菜摘が立っていた


「何?」


「未憂から・・・連絡ないんだけど


及川君 何か知ってる?」


「・・・さぁ?」


知っているけど あえて


知らないフリをした


「・・・未憂ね 引っ越すかも」


え?


今・・・なんて?


「どういう・・・事だよ?」


「・・・未憂のお母さん


再婚して その新しいお父さんの


転勤先に行くかもしれないって」