「ばか聡……
本当にばか!!」
近づいて行って、
聡の胸元をぼかすか叩いても叩いても、胸のモヤモヤは一向におさまらない。
…結局、好きなんだよ。
私は、
聡になんと言われようと…
好きなの。
顔を上げると少し頬を赤くした聡と目があった。
でも…
「ぬわっ!」
奇声と共に、すぐ反らされてしまう。
「……なによ…」
何かが、プツンと切れた。
「目があうのさえ嫌なぐらい私が嫌い?
だったら、
変に優しくしないでよっ!
だから嫌いに
なれないんじゃないっ!
だから…
…だから
諦められないのっ!
ばか聡っ!大っ嫌い!」
一気に話して、
走り出した。