だけど……

「ばか…」

聡が小さい声で呟いてから
思いっきり私を抱き寄せて
唇を唇で塞いだ。


…つまり、
………キス……。



「っひゃ……ん…やっ…」

何度も何度も
角度を変えてキスを続けながら
彼の手が私の浴衣の襟を開く。


荒々しいのに
どこか優しい彼のキス。


「…っあ……」

下唇を甘噛みされて
思わず口を開くとそこから
生暖かい何かが入ってくる。

「…ん……ぅむ…ぃや…」

それが彼の舌だと気づくのに
そんなに時間はかからなかったんだけど…


新たな大事件。

彼の手が襟から
浴衣の中に進入してるっ!


「…ちょ……や…」

いよいよ力が入らなくなって
彼に体をゆだねると
そのままベンチに倒された。


「…や……さと……」

やばい!!
完全にやばい。

と、思ったところで
絡まりついていた舌が
開放されて、口から光る糸がたれた。


「…はぁ……」

まともに息もできず、
目の前に居る彼を見つめた。

あまりに色っぽい顔。


と、のんきに考えていたら
彼の顔が消えて、
目の前には
満天の星空。

「……ぃたっ!」

チクっと甘い痛みが
首元にはしる。

すぐ下には彼の髪の毛。

「…っちょ…!」

そこから、
何度も何度も
甘い痛みが各所にはしる。