「いってらっしゃ…って実!?今いくわけ!?」
腕を掴んで、私を止める。
心底驚いたような顔をしていた。
「…そうだけど、どうしたの?驚いた顔して」
「どうしたの、じゃないわよっ」
常識的にありえない、と言う結花に対して私は冷静だった。
心の準備という準備は、とうに整っていたから。
「大丈夫だよ、結花。私、今なら何でもできる気がするから!」
「はぁー…。理由になってないから、それ」
少し考えてから、ひとり頷いながら、私の背中を押す結花。
「ほんと行き当たりばったり。…でも、あんたのそういう所、嫌いじゃないわ。行っておいで」
いつものような優しい笑顔がそこにはあった。
少し緊張していた私に進む勇気をくれる笑顔。
「うん!」