テレビのボリュームを下げ、インターフォンの通話ボタンを押す。
「はい!」
「あー……俺。ロケ撮、思ったより早くすんだから……」
翔だ。
ドキドキしながら、震える指先で解錠ボタンを押す。
「ママ……来た、みたい」
「誰が?」
「翔が」
「翔って??」
「だから、葛城翔だってば!」
「だって、翔さんはほら!今、こうやって番組に出て歌っているじゃない!」
パニック寸前のママは、背後で歌っている翔の歌番組を指差す。
「それ、録画だから、ママ……」
もめてる間にも、今度は玄関のチャイムが鳴る。
私は急いで玄関を開ける。
「どうも。これ、みやげ。お邪魔します」
翔から可愛い小さな箱が入った紙袋を受け取る。
「あ、ども。お邪魔します」
翔が玄関まで出て来たママにも挨拶する。
ママは「まぁ!まぁっ!!」なんて言いながら、両手を頬に当て、目を白黒させている。
そして、今―――――――
翔が目の前できんぴらごぼうを食べている。
「おいしいですね、これ」
なんて言いながら、フツーに我が家の食卓に溶け込んでる……
私とママはと言うと緊張のあまりほとんど箸が進まない。
翔が唐揚げに箸を刺す。
「短時間の行って来いだったんで、移動メシも無くて……。あ、これも食べていいっすかね?」
「どうぞ、どうぞ」
母子で五目玉子を促す。
「うまい!!絶品!!」
ものすごい勢いで我が家の食卓に並ぶ料理が、翔のお腹の中に吸い込まれていく。
食いっぷりのイイ人だな~。
でも、決して人に不快感を与えない品のイイ箸運びにみとれる。
「綾乃(あやの)さん?」
「はい?」
緊張に声が裏返る。
「君の名字、なんて読むの?」
初めて翔と目が合う。
彼のその澄んだ瞳の美しさに息が止まる。
「はい!」
「あー……俺。ロケ撮、思ったより早くすんだから……」
翔だ。
ドキドキしながら、震える指先で解錠ボタンを押す。
「ママ……来た、みたい」
「誰が?」
「翔が」
「翔って??」
「だから、葛城翔だってば!」
「だって、翔さんはほら!今、こうやって番組に出て歌っているじゃない!」
パニック寸前のママは、背後で歌っている翔の歌番組を指差す。
「それ、録画だから、ママ……」
もめてる間にも、今度は玄関のチャイムが鳴る。
私は急いで玄関を開ける。
「どうも。これ、みやげ。お邪魔します」
翔から可愛い小さな箱が入った紙袋を受け取る。
「あ、ども。お邪魔します」
翔が玄関まで出て来たママにも挨拶する。
ママは「まぁ!まぁっ!!」なんて言いながら、両手を頬に当て、目を白黒させている。
そして、今―――――――
翔が目の前できんぴらごぼうを食べている。
「おいしいですね、これ」
なんて言いながら、フツーに我が家の食卓に溶け込んでる……
私とママはと言うと緊張のあまりほとんど箸が進まない。
翔が唐揚げに箸を刺す。
「短時間の行って来いだったんで、移動メシも無くて……。あ、これも食べていいっすかね?」
「どうぞ、どうぞ」
母子で五目玉子を促す。
「うまい!!絶品!!」
ものすごい勢いで我が家の食卓に並ぶ料理が、翔のお腹の中に吸い込まれていく。
食いっぷりのイイ人だな~。
でも、決して人に不快感を与えない品のイイ箸運びにみとれる。
「綾乃(あやの)さん?」
「はい?」
緊張に声が裏返る。
「君の名字、なんて読むの?」
初めて翔と目が合う。
彼のその澄んだ瞳の美しさに息が止まる。