私は誰にも見られてはいないのだよ。


誰もが私を見ているふりをして、本当は見ていない。


私は誰もに見捨てられた、そんな存在なんだよ。


あなたが、初めてだよ。



少女は静かに、しかし凛としたよく通る声で言った。


そして、とてもさびしそうに笑う。


僕はそのとき、なんとかしたい。そう思った。