「金曜って明日じゃん!」
「でも残念。金曜日はあたしのバイト日でーす」
あたしの胸の高鳴りも、美和ちゃんの一言によってかき消された。
なるほど。
美和ちゃんがバイトで来れないから、矢田さんに会えないんだ。
「明日だけでも休めない?」
「無理ですね」
ココア片手に、美和ちゃんはあたしを見下す。
「あぁー。俺も矢田さん見てみたいし、明日一緒にMOCA来よっか?」
あたしのかわいそうな姿を見て、高野さんは優しく言った。
もちろんあたしは、その誘いに乗らないなんてことはなく、
「行きます!!」
と、ちゃっかり了解した。