いよいよ、ほんとうの別れのときが来たのか。

「…見送りに行くよ」

「ありがとう。おまえの好意は忘れないよ」
と和尚は素直に笑った。

「結局、おまえは“USA!”を叫ぶ側へまわったってことだな」

「まあそういうことだ」
和尚は、1年のとき、初めてぼくらが交わした会話を忘れてはいなかった。