長かった受験がようやく終わった。
ぼくらは、とりあえず全員、進路が決まった。

ぼくは、地元の国立大学の工学部に進学することになった。
ただし、予定ではこれから先2年で、航空大学校に編入になる。


卒業式の日、ぼくらのクラスは、アメリカの大学生がやるのを真似して、帽子のかわりに上履きを投げた。
ばたばたと上履きが上から落ちてきて、それはもう悲惨な騒ぎだった。


和尚が、笑いながらぼくの上履きを放り投げてくる。

「バカだよな。おれら」

「見ていて気持ちいいくらいにな」