結論的に、ぼくはぼくなりの道をしっかり歩むしかなかった。
ぼくは、いつも和尚と自分を比べてきた。
けれど、もう、そういう時期は終わりに近づいている。


ぼくら進学組は、受験のラストスパートに入った。
矢野も愛子も、みんな必死で、会えば試験の話しかしなかった。


「どうやら、上手くいったみたいよ」
センター試験の終わった翌日、愛子は電話をかけてきて、ほっとした口調で言った。

「もうおれは駄目だ~~~!!」
矢野に電話をかけてみると、彼は電話の向こうでオーバーアクションしていた。

「そんで、おまえはどうだった、翔?!」

「うん。なんとかいけそうよ」

ぼくは、自分と結花との未来を信じて、ひたすら前へ走るしかなかった。