ぼくは、ときどき、胸が張り裂けそうな気持ちで彼女で見ることがあった。
結花はまるで、トライアングルの一角をさまよう子羊だった。


ぼくは、きみを幸せにしてあげたい。
でも、きみは、ぼくじゃ駄目なの?


ぼくは、ベッドで寝ているふりをして、彼女の幸せそうな寝顔を見ていた。
そして、少しだけ泣いた。


ぼくだって、エゴの塊だよ、和尚…。

自分の欲求のためなら、大好きな彼女がおまえを想っていても、力づくで奪い取る。
いずれ、おまえはいなくなるんだ。

いまは、ぼくに彼女を引き止めさせてくれ。