ぼくは、急に緊張して、ドキドキと心臓を波打たせた。
結花を抱きしめて、ぼくのものにしたい!
それは、ぼくのなかに確実にある欲求だった。
そして、何度も自分のなかで夢想してきたシーンでもあった。


結花は、じっとぼくを待っていた。
ぼくは決心して、彼女を優しく押し倒した。
それからあとは、無我夢中だった。


「…家の人に気づかれないかな」

「今日、誰もいないよ」


結花の言葉に力づけられて、ぼくは彼女を強く抱きしめる。
結花は、柔らかくぼくを迎え入れてくれた。
夕暮れどきの西日が、ぼくらを優しく包む。


――そうして、ぼくは結花を愛する一人の男になった。