まだ肌寒い季節なのに、ぼくらはアイスクリームを二人でなめた。
ぼくのアイスはペパーミントチョコで、結花のは甘いストロベリージャムだった。


ぼくらは、しばらく黙ったまま、ベンチで行きかう人を眺めていた。
そのときぼくは、結花はぼくの言葉を待っている、と思った。


「ねぇ、結花。ぼくらまた、やり直し出来ないかな?」
ぼくは勇気をふりしぼって、言った。

「え」

「まえみたいに付き合えないかなってこと」

「翔ちゃん…」

「ぼく、結花のことがまだ好きだから」

「でも翔ちゃんは、こんなわたしでいいの?」

「ぼくには結花しかいないと思ってる」

「翔ちゃん…」

結花は、少し考えてから、ぼくの方を見てゆっくりと言った。

「わたしも。優しい人がやっぱり好き」