「ぼく、ほんとに嬉しいのよ。結花の笑った顔が見れて」

「ふふふ。翔ちゃんが、へんな顔の写メくれたりするから、わたし、それ思い出して毎日笑ってたのよ」

「受けた?」

「受けた受けた。学校の友だちにも見せてまわっちゃった」

「あーー!!あれは結花限定だったのに」

「それならそうと、書いておいてくれないと」

結花はくすくす笑いながら、コーヒーカップから軽やかな足取りで降りた。


「ああ、なんだか気持ちが吹っ切れた感じ」


ぼくは、結花のこころのなかから、和尚がどれだけ消えたのだろうと考えた。
最高値を100%とすれば、いまは80%くらいか?
ぼくは、いまがチャンスだと正直思った。


「ねぇ、結花。そこのベンチでアイスクリームでも食べない?」

「そうね」