夏休みの終わりごろ、愛子がフィットネスクラブの割引チケットを持ってきた。
「ぼく、勉強で忙しいんだけどな。これでも」
「なに言ってんの」
と愛子は一喝した。
「カラダ、鍛えなきゃ。パイロットなんかになれないぞー」
それもそうだった。
和尚がバスケに打ち込んだりしているのも、ハーバード大学では勉強だけが出来ても合格出来ないところにあるんじゃないかと、ぼくは思っていた。
「よっす!」
フィットネスクラブのプールに現れた愛子は、もうすっかり失恋から立ち直っていたので、ぼくはびっくりした。
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