「結花と別れてから、どうしてんの?」

愛子は、少し酔っているせいか、いきなりズバッとぼくの核心を突いてきた。

「べつに、ふつうの高校生活を送ってるよ。バケモノの和尚と一緒にいたときより、ずっとふつうな感じだな」

「ふーん。和尚って、そんなにバケモノなんだ」

「なにしろ、志望大学がハーバードだからね」

「それもそうねー。あ。それで結花の方はねー」

ぼくは結花、のなまえにドキッとした。
愛子は、グレープフルーツジュースの氷をからんといわせて、美味しそうにそれを飲んだ。

「幸せだって言ってるけど、寂しそう。和尚、結花との交際は高校までって宣言してるらしいよ」

「ええぇー!?」