やがて、季節は冬に突入した。
文化祭で開催されたミスコンテストには、見事、結花がグランプリに選ばれた。
ぼくは、グランプリの恋人ということで、周りからずいぶん冷やかされたり、羨ましがられたり、妬まれたりした。
しかも、結花は文化委員が言ったとおり、雑誌社から取材の申し込みが入り、グラビアアイドルの仕事をしてみないかという正式なスカウトを受けていた。
しかしそれには、結花の両親が難色を示し、一時保留となっていた。
「アイドルになりたい?」
とある日、ぼくは結花に聞いてみた。
「そうだなぁ。憧れもあるけど…。でも、ああいうお仕事始めたら、恋愛出来ないんでしょ?」
「かも知れないね」
「わたし、そんなの嫌だし」