「なんで?いいやつだよ。頭が回りすぎる嫌いはあるけど」

「ううん。そういうのじゃなくて…なんか…身体も大きいし…」


結花は、あたまが混乱しているようだった。

ぼくは、彼女を休ませるために、波打ち際から上がり、砂の上に二人で寝そべった。

暑い砂が気持ちいい。


「どう?ちょっと気分はましになった?」

「うん。大丈夫。わたし、なんか変ね。熱があるのかな」

「まじで?」


ぼくは、結花の額に手をあててみたが、すでに温められた手で、体温が測れるはずもなかった。
それをしたのは、たんに、ぼくが彼女に触れたかったからだ。


「なにか、飲み物を買ってきてやるよ。なにがいい?」

「じゃ、…冷たいオレンジジュースかなんか、いい?」

「おっけ」