「5歳年上の大学生のお姉さんと。
西瓜切ってあげるから部屋においでって呼ばれたんだ」

「うは!西瓜で買われたのかよ」

「1年間くらい続いてたかな。いい勉強になったよ」

「おまえ、…尊敬するぞ」

「でも、おれは自分からはなにもしていない。だから、ほんとうのことを言うと、翔にするアドバイスはないんだよ」


ぼくは、和尚にそう言われて弱ってしまった。

仕方ない、これはチャンスを待つしかないなとモヤモヤを抱えつつ、次の授業の準備を始めると、こっそり和尚がささやいた。

「よかったら、おれの部屋使えよ」

「え?」

「おれ、離れに一人寂しく住んでるから。いざコトというときは、おれ、母屋の方に行くよ」