そんな話をして、夕暮れになるとちょっと手を握って別れた。


結花が、まっすぐな髪をひるがえして、盛大なバイバイをしていく。
ぼくは、にっこりと彼女を見送って、平和なデートをしめくくる。


「あーあ…それにしても」
ぼくは、ため息まじりに帰り道を歩いた。


「結花と一緒になれるのは、いつのことなんだろう?」


それは、遠い遠い未来のような気がしてならなかった。

そのときのぼくは、少女が急速に脱皮するときのことを、まったく知らなかったから。