……

先生の出て行った後、誰も言葉を発さないでいた。

(この状況、どーにかしなきゃ…!)

「あの…」

「黙ってたって何も始まらないだろ。先生が言うように、自己紹介ぐらいしといた方がいいだろう」

先に言われてしまいました…(泣)

「あ、悪い。何か言いかけてたよな」

「いえ。もう大丈夫です…」

「そうか。じゃあ、俺からいくぞ」

この部屋に元々いた2人のうち、少し怖そうな人が立ち上がった。

「2年3組の来生郁(きすぎ いく)だ。他に言うことはないよな」

「暁雄介(あかつき ゆうすけ)。同じく2年3組だ」

続いてもう一人のクールな感じの人が言った。

「1年2組、塩崎葵(しおざき あおい)だ」

「同じく1年2組、長谷部翠(はせべ みどり)です。よろしくお願いします」

「「えぇっ!?」」

思わずあたしと塩崎は叫んでしまった。

「どうしたんですか!?」

「え、だって…」

こんなかわいい子、あたしのクラスにいたの知らなかった…

「僕、大人しいですし、一番後ろの席ですから仕方ないですよ」

…ごめんね(泣)

「あたしは−…」

「俺は水沢紫苑(みずさわ しおん)。2年1組だ」

あたしが言おうとしてたのにー!!

プリプリして水沢先輩の方を見ると、笑顔を返された。

「ごめんな。先に言っちゃって。でもさ、女の子はお前だけなんだから、お前は一番最後に言うべきだろ?」

何その決まり…

「ってことは次は俺か。2年2年の黒崎一(くろさき はじめ)。よろしく。
じゃあ、最後ちゃんとやってくれないと、怒るよ?」

ニコニコしながら言われても…

てかちゃんとって何!?