また走り出した…のはいいけど、

「あれ?ここって…」

目の前にあるのは会議室…

ではなく、あたしの教室。

「もしかして…一周しちゃったってこと!?」

自分の方向音痴にも程がありすぎて泣ける…

こんな時誰か一緒に行ってくれればなぁ…

沈んでいると、後ろから声がした。

「おい、お前何突っ立ってんだよ」

「塩崎!ちょうどいいところに!!会議室どこだか分かる?」

「あ?俺も今から行くところだったから、連れてってやるよ」

「ありがとっ!身長は小さいけど、頼りになるね♪」

「チビは余計だっ!!」

塩崎に連れられ、会議室に向かっていると、さっきのあたしのように迷っているオーラを醸し出している子を発見した。

「どうしたの?」

「あっ、僕、会議室に行きたいんですけど、その…迷っちゃって…」

「俺らも行くから、付いて来いよ」

「あ、ありがとうございます!」

…かわいい!!

制服からして男の子だけど、見た目は女の子だよ!!

「…なにニヤけてんだよ。キモっ」

塩崎がボソッと言った。

「なによ!ニヤけて何が悪いの!?」

「悪くねーよ。ただキモいだけ(笑)」

「最っ低!!」

「へーへー。ほら、着いたぞ」

「…意外と近かった」

「これくらい覚えろよな。だいたい…」

「じゃ、入るよ?」

「人の話聞けよ…」