(ホント、水沢先輩って謎だなぁ)

そんな事を思いながら会議室へ向かっていると、中庭のところに女子たちと水沢先輩を見かけた。

(やっぱり嘘だったんだ!!)

本気にはしてなかったけど、少しショックだった。

ちょっと気になって隠れて見ていたら、

「何よそれ!!どういうこと!?」

女子が怒鳴った。

「だから、その…俺はもう、キミたちとは遊べない。というか、もう俺とキミたちは無関係だから」

「なんで!?紫苑どうして!?」

「俺…今、好きな奴いるんだよ」

「あたしたちもそうでしょ!?」

「…ソイツは特別なんだよ」

「ありえない!こんなに紫苑のこと大好きなのに〜!どうしてぇ!?」

「…ったく、うるせぇな。お前らは俺にとって遊びだったんだよ。大体お前らだって分かるだろ?俺が本気じゃなかったことくらい。それが分かってなかったってんなら、相当のバカだな」

「紫苑…アンタ…」

女子たちの目が光った。

そんな彼女たちに、水沢先輩は優しく言った。

「本当に好きな奴は、1人だけで十分だろ?…お前らの1番も、俺じゃないことくらい分かる。だから…今日を機に、お前らもソイツらを本気で好きになれよ、な?」

「「……」」

女子たちは黙った。

「そう…だね」

「確かに、そうだったかも」

「今までありがと」

女子たちは納得した様子で帰っていった。